1. 健康を意識しても甘いものは食べたい!
甘味料 選び方ガイドを読むと、健康を意識しながら甘いものを楽しめます。

甘いものばかり食べちゃ健康に良くない!?

この記事では、パティシエの視点から「甘味料の種類別特徴・使い分け・素材選びのロジック」を徹底的に解説。
健康を気遣いながら、美味しさにも妥協しないスイーツづくりを目指す方に役立つ情報をまとめています。
2.甘味料は「ただの甘さ」じゃない
甘味料は、ただ甘さを加えるだけのものではありません。
その種類や性質によって、食感や保湿性、保存のしやすさ、さらには栄養価や冷凍耐性にまで影響を及ぼします。
中には、血糖値の上昇をゆるやかにする 低GI甘味料 もあれば、 冷凍・解凍を繰り返しても水分を保持し、しっとり感を保てる 保水性に優れた甘味料 もあります。
さらに、プレバイオティクス として腸内フローラのバランスを整えることを 目的に開発されたものも登場しています。
いまの甘味料は、 “甘さを足す” というより、
「スイーツの素材として高い機能性を発揮する存在」 なのです。
3. 甘味料一覧と特徴比較(一覧表)

種類はどのくらいあるんだろう
ここでは、代表的な甘味料を一覧にまとめ、それぞれの特徴を比較できるようにしました。
甘味料 選び方に迷ったときの参考にしてみてください。
甘味料 選び方で迷ったときの比較一覧
| 名称 | 甘さ(基準=100) | 特徴・メリット | デメリット | 向いている用途 |
| 上白糖 | 100 | 安定感/しっとり感/クセなし | 血糖値が上がりやすい(※1) | 焼き菓子全般 |
| きび糖 | 95 | ミネラル豊富/コクある味 | 焼き色が濃く出やすい | クッキー/パウンドなど |
| てんさい糖 | 90 | 整腸作用/血糖値の上昇ゆるやか(※2) | 若干クセあり | 蒸しパン/素朴な焼き菓子 |
| トレハロース | 40 | 保湿性◎/冷凍耐性◎(※3) | 単体では甘味が弱い | 冷凍ムース/ゼリー |
| オリゴ糖 | 60 | 腸活◎/液体で扱いやすい(※4) | 焼き菓子ではベタつくことがある | グラノーラ/ドリンク |
| ラカント | 70 | カロリーゼロ/血糖値に影響しない(※1) | 加熱で再結晶しやすい(※5) | 冷菓/ゼリー/糖質制限系 |
| ココナッツシュガー | 85 | 低GI/ミネラル豊富 | 独特の香りとクセ | バナナケーキ/ブラウニー |
| アガベシロップ | 130 | 少量で甘み◎/低GI(※6) | 果糖含量が高く、摂りすぎ注意 | チーズケーキ/ドリンク |
※参考文献・出典
林原「トレハロース応用技術」資料集(※3)
日本食品標準成分表2020年版(文部科学省)(※1、2)
日本製菓製パン技術協会『素材別焼成特性』研究資料(※5)
日本オリゴ糖協会/健康食品文献資料(※4)
米国糖尿病学会・WHO「非糖類甘味料に関するガイドライン」(※1、6)

4. 用途別おすすめ甘味料の選び方
作りたいスイーツや求める仕上がりに合わせて、最適な甘味料を選ぶポイントを紹介します。
| ニーズ | おすすめ甘味料 |
| ダイエット・糖質制限 | ラカント/トレハロース |
| 冷凍スイーツ対応 | トレハ+上白糖の併用 |
| 子どもにも安心な甘さ | てんさい糖/きび糖 |
| 腸活・便通対策 | オリゴ糖/てんさい糖 |
| ヴィーガン・自然派スイーツ | アガベシロップ/ココナッツシュガー |
5. マフィンで比べてみよう!8種の甘味料で同じレシピを焼いてみた
同じレシピでも甘味料が違えば、焼き上がりや食感、風味はどう変わるのか。
実際に8種類でマフィンを焼き比べてみました。
基本マフィンレシピ(6個分)
| 材料 | 分量 |
| 薄力粉 | 120g |
| ベーキングパウダー | 4g |
| 卵 | 1個 |
| 牛乳 | 60g |
| 無塩バター | 50g |
| 甘味料 | 60g(種類に応じて調整) |
| 焼成温度・時間 | 170℃ × 22〜25分 |
使用甘味料別の焼き上がり比較
| 甘味料名 | 使用量 | 焼き上がりの特徴 |
| 上白糖 | 60g | 標準的な甘さと焼き色。ふんわりしっとりとした食感 |
| きび糖 | 60g | コクのある甘さ。焼き色がやや濃く、素朴な風味 |
| てんさい糖 | 60g | 甘さ控えめで素朴な味わい。もっちりとした食感に |
| トレハロース | 90g | 甘さが弱め。冷凍後も食感が保たれるが、単体だと淡泊 |
| オリゴ糖(液体) | 80g | ベタつきやすく、焼き色はやや薄い。生地が重くなりやすい |
| ラカント | 75g | 焼き縮みに注意。甘さは十分だが再結晶化しやすい |
| ココナッツシュガー | 60g | 独特の香ばしさ。焼き色は濃いめで仕上がりはしっかり |
| アガベシロップ | 50g | 水分が多くしっとり。柔らかい仕上がりで焼き色は淡い |

こんなに違うの?!

6. 甘味料ごとの保存方法と保管のコツ
甘味料は種類によって吸湿性や固まりやすさが異なります。
長く品質を保つための保存方法と、ちょっとした保管のコツをまとめました。
| 甘味料 | 保存方法 | 注意点 |
| 上白糖 | 密閉容器・常温 | 湿気を避ける |
| きび糖 | 密閉・冷暗所 | 吸湿しやすく固まりやすい |
| てんさい糖 | 密閉+乾燥剤・冷蔵も可 | 風味が飛びやすい |
| トレハロース | 密閉容器・常温 | 湿気厳禁 |
| オリゴ糖(液体) | 開封後は冷蔵 | キャップまわりの結晶化に注意 |
| ラカント | 常温保存/乾燥必須 | 湿気ると溶けにくくなる |
| ココナッツシュガー | 冷暗所・密閉容器 | 香りが飛びやすい |
| アガベシロップ | 開封後は冷蔵 | 高温で変色の恐れ |
7. 小規模店・個人販売向けの価格と仕入れ目安
小規模な製菓店や個人での販売を想定し、甘味料の仕入れ価格やおおよその目安をまとめました。
価格設定やコスト計算の参考にしてください。
| 甘味料 | 内容量例 | 価格帯(目安) | 100gあたり | 備考 |
| 上白糖 | 1kg | ¥300〜¥400 | 約¥35 | 流通安定、安価 |
| きび糖 | 1kg | ¥450〜¥600 | 約¥50 | 自然派向け |
| てんさい糖 | 800g〜1kg | ¥600〜¥750 | 約¥70 | 国産あり、整腸効果◎ |
| トレハロース | 1kg | ¥900〜¥1,200 | 約¥100 | 冷凍商品に適する |
| オリゴ糖(液体) | 1kg | ¥600〜¥800 | 約¥70 | グラノーラやドリンク向け |
| ラカント | 800g〜1kg | ¥1,000〜¥1,500 | 約¥130 | 糖質制限向け、高価 |
| ココナッツシュガー | 500g | ¥800〜¥1,200 | 約¥160 | 香りに個性あり |
| アガベシロップ | 660g〜1L | ¥900〜¥1,300 | 約¥110 | 有機・自然派に人気 |
8. 販促に使えるキャッチコピー(個人店向け)
小さなお店でもすぐに使える、スイーツ販売向けのキャッチコピーを集めました。POPやSNS、パッケージデザインにぜひ役立ててください。
1.「からだ想いの甘さで、明日もおいしく。」
2.「糖質オフでも、味は妥協しない。」
3.「スイーツに、整腸というご褒美を。」
4.「低GI素材で、罪悪感ゼロの焼き菓子を。」
5.「やさしい甘さで、ココロとカラダにうれしいひとくち。」

簡潔にわかりやすく伝えることは大切だよね
小規模店・個人販売では、“素材そのもの”が差別化のポイントになります。
甘味料の特長を伝えるキャッチコピーを使えば、お客様に安心感を届けるだけでなく、価格への納得感にもつながります。
特にSNSや店頭POPで「素材×おいしさ」の両立を打ち出すことで、共感を得やすくなりますよ。
9. まとめ 選び方ひとつで、スイーツは変わる

「甘さ=砂糖」という固定観念を超えて、素材として甘味料を見つめ直すことで、やさしいお菓子づくりの選択肢はもっと広がります。
甘味料の持つ「ちから」を知って、あなたのスイーツづくりに自由とやさしさを加えてみませんか?
👉 この記事では、甘味料 選び方のポイントを整理しました。ぜひ参考にして、あなたに合った素材を選んでみてくださいね。

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